あなたも、あなたのお子さんも大丈夫?『いま知っておきたいいじめのこと』研修会に参加して

浦安市生涯学習部生涯学習課が主催の本年度の研修会についてご報告です。

本年度は感染対策もあり、YouTube©️限定公開の方法により、講演を視聴するものでした。

『いま知っておきたいいじめのこと』

高校生15歳、3ヶ月半で亡くなってしまった一人娘のお母さんによる講演です。
大人の立場で、こどもにどう対応すべきかがテーマで、ご自身の反省を込めて話しています。

いじめの認知件数(小中高、文科省調査)は、単に数字を見ただけだと、H27 22万件、H28  32万件、H29  41万件、H30 54件、R1 61件と激増中とのこと。
本部役員で教育関係のお仕事をなさっている方に、概要をまとめていただきました。

『いま知っておきたいいじめのこと』ダイジェスト

先日、千葉県教育委員会主催の社会人権教育地区別研修会で「いじめって何ですか?」というテーマの講演動画がありました。

いじめを大人の立場でどう考え、対応していくかというお話で、実際いじめ問題にどう対応すれば良いか悩んでいる方だけでなく、いじめと聞いていまいちピンと来ない方でも、知識として知っておくと良い内容だなと思いましたので、こちらで軽く内容を紹介いたします。

年々深刻化するいじめ問題。子ども達のSOSを私たち大人が共通認識を持って受け止め、広く見守っていくことが大切かと思いました。

「いじめって何ですか?〜いじめに対する大人の認識を考える〜」

NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事 小森美登里さんの講演動画より要約

  • 「いじめ」は命に関わる重大な問題

文部科学省によるいじめの報告件数は平成27年度22.5万件が令和元年は61.2万件と4年で約3倍に増え、過去最多を更新した。

日頃いじめと聞いて、どこか他人事だったり、クラスに1人や2人いるよとの慣れがあるかもしれないが、いじめは虐待と同じである。命に関わる事である。

一度、ニュースや新聞にあるいじめ記事の「いじめ」の記載部分を「虐待」と読み換えて読んでみてほしい。捉え方が変わり、その深刻さが実感できるだろう。

いじめについての調査では被害者の1/3の子が自殺念慮を抱いている。いじめは生きる気力を奪い、命を奪うものなのである。

もし周りでいじめが起きたことを知ったら、まずは命に関わる重大なことが起きたのではないかという認識を持って速やかに動くこと、そして被害者の子の話をよく聞き、その子の気持ちに寄り添うことが大切だ。

そのいじめは発見する前から続いていて、その子は今までずっと耐えていたかもしれないからだ。

◆子どもが大人に言わない理由

子どもが大人にいじめを言わない理由として

⑴大ごとにしたくない

⑵自分はいじめに負けていない、可哀想、惨めと思われたくない

⑶解決に失敗したら転校させられるから

という声が多かった。

◆私たちが安心して相談できる大人かどうか

安易に「やり返した方が良い」とアドバイスしたり、喧嘩両成敗で終わらせようとするのは、かえって深刻化、重大化する危険性がある。

一方的なアドバイスではなく、大人と子どもが対等に話し合い、一緒に対策を考えることが大切だ。子どもには大人では分かりにくい子ども特有の社会が存在したり、子どもたちらしい考えも様々に出てきたりする。

◆加害者も被害者である可能性も

いじめには被害者対応に目が行きがちだが、加害者のケアも必要である。加害者側の話もよく聞き、心に寄り添うことも必要だ。

調査では加害者の7割がいじめられた時に辛さや悩みを抱えていた。いじめる背景には他者から命令されていたり、家庭内虐待のサイン等も隠れていたりするからだ。

◆いじめの事実確認方法

いじめの事実確認については、まず遠巻き(周り)から情報収集、確認を行うと良い。

いじめは声かけや対応一つ間違えると解決どころかより悪化してしまう。

誰が悪い悪くないではなく、被害者、加害者共に、辛く苦しいという子どもの気持ちに寄り添いながら、共に考えていくことが大切だ。

  • 講演者プロフィール

小森 美登里(こもり みどり)
昭和32年神奈川県生まれ
NPO法人ジェントルハートプロジェクト理事
1998年、高校入学間もない一人娘の香澄(かすみ)をいじめによる自殺で失う。それをきっかけに、いじめが社会の大きな問題であることを知り、いじめのない社会、あたたかい教室と学校を目指し夫婦で活動を始める。

NPO法人ジェントルハートプロジェクト

こちらでも小森さんの講演内容を知ることができます。

https://socialaction.mainichi.jp/cards/1/36

視聴した富小PTA役員による感想

私がずっと考えているいじめについて、あらためて動画見て言葉にしてみます。

動画にもありましたが、

加害者に寄り添う姿勢が重要です。

マズローの五大欲求、承認欲求が満たされていない事が原因

いじめは、どの時代にもあり、なくならない。

いじめる側は愛情を受けていない、若しくは偏った愛情を受けている可能性がある。

だから、いじめる人間が弱いという風な社会的認識が必要。

いじめる人間はカッコ悪い。

愛情受けていないんだ。

そういう風潮で子供同士理解していると、いじめられる側も心強くいられるのではないか。

教師の力量は性格が違うようにばらつきがある。

完璧な対処は出来ないから、子供がつらいようであれば、逃げ道を探す事も必要。

フリースクールを充実させて学ぶ、学校を選択できるなどの選択肢が自由に出来るとよい。

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課題問題があるのは認識していながらも、なかなか向き合って考える時間がないところで、研修会という形で場を用意していただいたのは良かった。

母親として、高校生まで大きくなったお子さんを突然亡くす経験とは、想像しただけでも胸が詰まる。正直、想像すらしたくない。

現在の5年生が出生時に出生人口が100万人を切って、少子化が進むところで、いじめの認知件数が増加するのはなぜだろうか。

単純に認知方法の精度が上がったというだけでは説明ができない増加率と思われる。

いじめる側もいじめによって自死を選んでしまう人も、たった一人、抱える気持ちに寄り添ってくれる人がいれば状況は変わってくるのではないか。匿名でSNSで叫ばずとも、たった一人。

ただ、今それが叶わない社会になりつつあるのかもしれない。子どもの死亡原因の第一位が自死という現実で、単純に数字から言えば、コロナをはるかに凌ぐ人数の子たちがギリギリの状態にいると考えられる。

子どもたちが言いたいことを言えているだろうか。

友達に親に先生に、大人たちに、信頼してものを言えているのだろうか。

というか、大人自身が言いたいことを言えているのだろうか。息が詰まる思いをしていないだろうか。

皆、実は心に解決法が浮かんでいるのだが、言いたい言葉も決まっているのだが、表現をはばむ何かがあるように思う。

実効性も疑問視されながらの緊急事態宣言の夏。休み明け、親子も子も先生方も元気に学校を再開することを心から願う。

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